2025年9月13日・14日 大菩薩嶺と美ヶ原へ行ってきました。今回のブログは百名山2daysのブログです。
はじめに
百名山を歩く旅を続けていると、山ごとにまったく異なる表情があることに驚かされる。私は山梨県の 大菩薩嶺(2,057m) と長野県の 美ヶ原(2,034m) を巡る旅に出た。いずれも比較的登りやすい山として知られているが、その魅力は正反対だ。
稜線を吹き抜ける風に身を任せる大菩薩嶺と、草原の広がりに包まれる美ヶ原。二つの山を一度の旅で歩いたことで、まるで山と山が対話をしているかのような、不思議な調和を感じることができた。
大菩薩嶺ってどんな山?
日本百名山に数えられる大菩薩嶺は、古くから人々に親しまれてきた。甲斐国と武蔵国を結ぶ大菩薩峠は、歴史小説や映画の舞台にもなり、「峠の名山」として名を馳せている。
山の魅力はなんといっても 大菩薩峠から雷岩へ続く稜線歩き。富士山、南アルプス、奥秩父の山並みが次々と現れ、まるでパノラマ写真の中を歩いているような感覚になる。山頂自体は樹林帯に囲まれて展望はないが、その道程すべてが「景色の舞台」といえる稀有な山だ。
美ヶ原ってどんな山?
一方の美ヶ原は、標高2,000mを超える日本有数の高原。とにかくその広がりに圧倒される。見渡す限りの草原に牛が放牧され、青空と緑が溶け合う景色は、北アルプスの険しさとも、大菩薩嶺の稜線美ともまったく違う。
山頂にあたる 王ヶ頭(2,034m) からは、八ヶ岳や北アルプス、浅間山までも一望できる。観光地としての側面もあり、誰もが気軽にその絶景を楽しめる“天空の草原”だ。
今回のコース概要
今回の行程はシンプルです。
- 1日目:上日川峠から大菩薩峠、雷岩、大菩薩嶺を経て周回。下山後は「ジョバンニの小屋」に宿泊。
- 2日目:車で美ヶ原へ移動。自然保護センターから美しの塔、王ヶ頭までをハイキング。
一泊二日で2座をめぐるこのプランは、ほどよい距離感と多彩な体験ができ、大人の山旅にぴったりでした。
登山の朝 ― 上日川峠から大菩薩嶺へ
上日川峠の駐車場に着くと、すでに多くの登山者で賑わっていた。支度を整え、登山口に立つ。森の中へと伸びる道は湿り気を帯び、木漏れ日が柔らかく差し込んでいる。最初は緩やかな樹林帯。しっとりとした空気と、足元に広がる笹の葉が、これからの山歩きに静かな期待を抱かせてくれます。


やがて、大菩薩峠へ。そこに立った瞬間、思わず息を呑んだ。雲の切れ間から姿を見せた富士山。その裾野に広がる雲海。眼下に光る大菩薩湖。そして遠くに並ぶ南アルプスの稜線。まるで絵画のような光景でした。

峠の標柱を前に立ち、記念写真を撮る登山者たちの笑顔も、この山の魅力の一部なんだろう。
雷岩から大菩薩嶺へ ― 稜線を歩く贅沢
峠を後にし、雷岩へ向かう。ここからが大菩薩嶺の真骨頂だ。笹原に覆われた尾根道は、両側に視界が開け、風を全身で受け止めながら進む。雲は刻一刻と形を変え、富士山が現れたり、隠れたり。自然が織りなす劇場に身を置くようなひとときでした。


雷岩では多くの登山者が腰を下ろし、景色を楽しんでいた。ここからの眺望は圧倒的で、登ってきた苦労が一瞬で報われます。
その先にある大菩薩嶺の山頂は樹林帯に囲まれ、展望はない。しかし「ここに立った」という事実が心を満たす。木々の間で静かに息を整えると、不思議と心のざわめきが落ち着きます。
帰路の山頂付近、鹿の姿を見つけました。柔らかい眼差しでこちらを見つめ、すぐに森へと消えていった。人と自然が共に生きる瞬間に出会えた気がして、胸に温かいものを感じました。





ランチ
山を降りたあとは、上日川峠近くの 千石茶屋さん でランチ。ここがまた大当たりだった。
注文したのは、名物の ほうとう と キーマカレー、そして評判の 桃ジュース に ジェラート。
桃ジュースはなんと贅沢に桃を2個丸ごと搾った一杯で、これで300円という驚きの価格!甘さは自然そのもので、冷たい果汁が体に染みわたる。さらに、ほうとうとキーマカレーはそれぞれ500円。素朴で温かい味が胃にやさしく広がり、登山の疲れを癒してくれる。締めには200円のジェラート。合計1,500円で、これほど充実した食事はそうそうないだろう。
「山のごはんって、こんなに幸せになれるんだな」と思わず笑みがこぼれる。登山とセットで味わいたい、大満足のランチだった。




ペンション「ジョバンニの小屋」で過ごす夜
下山後に向かったのは、宿泊先の ジョバンニの小屋。木の温もりに包まれた空間は、山旅の疲れを癒す安らぎに満ちていた。窓からは森が見え、まるで童話の中に迷い込んだような感覚になります。
この日の夕食はとても彩り豊かだった。
- 野菜サラダ(レタス・トマト・きゅうり・ラディッシュ・人参)
- ズッキーニのスープ
- カレイのベーコン巻きソテー
- 煮込みハンバーグ
- 杏仁豆腐
- 食後には コーヒー
- そして、赤と白それぞれの グラスワイン が一杯ずつ






どの料理も丁寧に仕上げられていて、見た目も美しく、体にすっと染みわたる味わいだった。登山で疲れた体に、やさしく元気を与えてくれる。ワインを片手に「今日の富士山は本当にきれいだったね」と語り合う時間は、日常をすっかり忘れさせてくれるほど贅沢だった。
夜は静寂に包まれ、遠くから虫の声が聞こえてくる。山の夜は長い。けれどその静けさが心地よく、明日の美ヶ原への期待を胸に、ゆっくりと眠りについた。


美ヶ原 ― 空と草原に抱かれて
翌朝、車で長野県の美ヶ原へ。到着した瞬間、前日の大菩薩嶺との違いに驚かされます。ここには険しい登りも深い森もない。あるのはただ広がる草原と、澄み渡る空。

まずは 美しの塔。青空に向かって伸びる塔は、どこか異国の風景を思わせます。その鐘を鳴らすと、澄んだ音が草原に響き渡ってました。






そこから 王ヶ頭 を目指します。道の両側には牛が草を食み、風に揺れる草原がどこまでも続いている。歩くたびに視界が開け、八ヶ岳、北アルプス、浅間山が次々と姿を見せてくれます。
王ヶ頭に立つと、まるで天空にいるかのようでした。360度の展望に心が解き放たれ、自然と深呼吸をしたくなります。大地と空が一体となった広がりの中で、自分が小さな存在であることを実感し、それが不思議と心地よく感じられました。
ふたつの山がくれた対照的な魅力
大菩薩嶺と美ヶ原。この2座を一度に歩いたからこそ、対比が際立って感じられました。
- 大菩薩嶺は「稜線の山」。雲海の彼方に富士山を望み、風を受けながら進む爽快さが魅力。
- 美ヶ原は「草原の山」。牧歌的な広がりと天空の静けさが心を癒す。
稜線の緊張感と草原の安らぎ。二つの山を行き来したことで、山の世界の奥深さを改めて感じることができました。
おわりに
山に登るという行為は、ただ頂を目指すだけではない。道を歩き、景色を味わい、宿に泊まり、食を楽しむ。そのすべてが一つの山旅を形作ります。
今回の旅で出会った光景、空気、そして人々との時間は、間違いなく私の心に刻まれた。百名山めぐりの道のりはまだ続くが、この二つの山旅は、その中でも特別な記憶として残り続けます。
この山旅のブログが皆さんの素敵な山旅の参考になれば嬉しいです。アブーより

