険しき岩の頂へ ─ 早月尾根から味わう劒岳のドラマ

U.L HIKE

2025年8月15日 富山県にそびえる日本百名山の一つ劒岳に早月尾根から日帰りで行ってきました。


劒岳ってどんな山?

① 日本屈指の岩峰で“岩の殿堂”

標高2,999m。北アルプスの立山連峰の真ん中に、鋭い刃のようにそびえ立つその姿は「岩の殿堂」。見上げるだけで背筋がゾクゾクするほどの迫力です。多くの登山者が「いつか登りたい!」と憧れる存在でありながら、その厳しさに二の足を踏む人も多い山。まさに挑戦者のための頂です。

② 日本アルプス随一の難峰

一般登山道で登れる山としては最難関クラス。岩稜歩き、鎖場、そして標高差2,200mを一気に駆け上がる体力勝負のルート。今回挑んだ早月尾根は、“日本三大急登”のひとつに数えられ、息を切らしながらでも「ここを登りきれば剱岳の頂が待っている」と自分を鼓舞せずにはいられません。

③ 山岳信仰と歴史の山

かつては「人が登れる山ではない」と言われてきた剱岳。明治40年、日本山岳会の測量隊が初登頂を果たしたことは、登山史に輝くエピソードです。それ以前から修験者たちの信仰を集め、畏怖の対象となってきました。その背景を知ると、一歩一歩の足取りがより重みを帯びて感じられます。


今回のコース

馬場島から出発し、早月尾根を通って山頂を目指すルート。推定タイムはおよそ12時間。挑戦する前から、すでに胸が高鳴る“ロング&ハードコース”です。

abu- 登山をした 12:38'48
18.3 km 12:38'48 1.4 km/h 5165 kcal 130 bpm

前泊からスタートまで

新潟を昼過ぎに出発。魚津ICを降りて立ち寄ったのは地元スーパー「大阪屋」。鱒寿司や枝豆ポテトサラダを手にした瞬間、「これぞ富山の山旅の始まりだ」と気分が高まります。ハードな山行に備え、あっさりとした胃に優しいメニューをチョイス。

夕暮れの山道を抜けて到着したのは馬場島荘。剱岳の麓に佇むこの宿で一晩を過ごせるだけで、すでに特別感があります。入浴を済ませ、酎ハイで乾杯!山行前の独特の緊張とワクワクが入り混じる夜。心を落ち着け、早めに眠りにつきました。

大阪屋ショップ - スマイル スーパーマーケット
食料品を中心としたスーパーマーケットです。生鮮食品をはじめとする、食料品並びに日用雑貨、家庭用品等の住居関連商品の販売を行っております。
馬場島荘
標高750mの馬場島にある山小屋です。剱岳登山の基地として有名で、レストラン、お風呂、宿泊部屋、乾燥室、コインランドリーなどの設備が充実しています。レストランでの手打ち蕎麦と地元の山菜などを使った天ぷらは、数量限定で絶品!緑あふれる山並みと...

いざ早月尾根へ!

午前2時30分起床。まだ眠気が残る身体を奮い立たせ、3時15分に出発。真っ暗な森にヘッドライトの光が点々と揺れ、そこに集う登山者たちの気配が心強い。

歩き始めは静寂と闇に包まれていますが、次第に東の空が赤く染まり始めると、足取りも軽やかに。巨木が立ち並ぶ早月尾根も、夜明けとともにその荘厳な姿を現してきました。

そして6時45分、早月小屋に到着!ここでアルファ米五目ご飯を頬張り、体の奥から力が戻っていくのを実感。「さあ、ここからが本番だ」と気持ちを新たに出発しました。


鎖場と岩稜のスリル

小屋から1時間ほど進むと現れたのは第一の鎖場。ここでヘルメットと手袋を装着。緊張感と同時に、まるで剱岳に挑戦するための儀式のような気持ちになります。

高度を上げると気温はぐっと下がり、ガスに包まれた幻想的な雰囲気に。下山者から「山頂は風が強くて体感10℃くらい」と教えられ、急いでウインドブレーカーを羽織る。

9時40分、ついに山頂へ!白いガスの中から一瞬だけ覗く青空に、周囲の登山者から歓声が上がる。達成感と感動が胸を満たし、汗も疲れも一瞬忘れる瞬間でした。


下山でのドラマ

下山を始めるとすぐに渋滞発生。岩場の順番待ちをして進んでいくと、目の前に現れたのは「カニの横ばい」。何気なく進んでいたものの、「あれ、ここは違う…?」と不安がよぎる。近くの登山者に尋ねると「そこは別ルート!」とのこと。

一瞬ヒヤリとしたが、教えてもらった「カニの縦ばい」から復帰し、無事に早月尾根へ戻ることができた。結果的に両方のルートを体験するという思わぬ“ボーナスステージ”。ハラハラとワクワクが入り混じる下山でした。


出会いと再会

13時過ぎ、再び早月小屋へ到着。登りで出会った小学4年生の女の子とその家族と再会。「日帰りで早月尾根⁉」と驚かされると同時に、無邪気な笑顔にこちらも元気をもらいました。小さなアルピニストの姿は忘れられません。


下山完了!そしてご褒美の時間

16時10分、馬場島へ下山完了。足取りはヨロヨロで、もはや“お爺ちゃん状態”。それでも全身で「やりきった!」と叫んでいました。

その後は【みのわ温泉】で汗を流し、

みのわ温泉・テニス村 | 一般財団法人 滑川市文化・スポーツ振興財団 [富山県滑川市]
みのわ温泉・テニス村 富山県滑川市 一般財団法人 滑川市文化・スポーツ振興財団

魚津駅前のビジネスホテルへ。夜は待ちに待ったご褒美の居酒屋「三三五五」へ。

カジキの昆布締め、げんげの唐揚げ、ズワイガニ入りのサラダ、米ナスのチーズ田楽…どれも絶品!富山の冷酒が五臓六腑に染み渡り、「また来たい!」と心から思える名店でした。

三三五五 魚津店 (魚津/ダイニングバー)
★★★☆☆3.13

まとめ

剱岳登山は天候を見て延期した甲斐があり、最高のコンディションで挑むことができました。馬場島荘で前泊したことも結果的に大正解。睡眠をしっかり取って挑めたのが大きかったです。

水場は早月小屋のみ、防寒具やヘルメット必携。夏とはいえ山頂部は風が強く、体感は10℃前後。装備を整えて初めて楽しめる山だと実感しました。

TJARランナーから親子登山者まで、多様なスタイルの人々が同じ道を歩いている姿に「山っていいな」としみじみ。山は人を繋ぎ、尊重し合える場所だと改めて感じました。

最後に今回の装備を掲載します👇


今回の装備

ザック OMM Classic25、水3L、ヘルメット、カッパ上下、ビニール袋、炎熱・塩タブ・芍薬、ツエルト、エマージェンシーグッズ、ライト、昼食(五目ごはん、ナッツパン2個)、クマ鈴、モバイルバッテリー、サングラス、日焼け止め、ウェットティッシュ、地図、コンパス、非常食(お菓子など3食)、登山靴、Suunto、携帯、充電ケーブル、ココヘリ、登山計画書、コンタクト、三脚。

今回使用したヘルメット↓

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今回のブログが、皆さんの素敵な劒岳の山旅になれば嬉しいです。

アブー