2025年4月 4泊5日で屋久島と鹿児島の百名山(宮之浦岳、開聞岳、韓国岳)へUL Hikeで行ってきました。
今回は1日目、2日目の屋久島宮之浦岳のブログです。
宮之浦岳の魅力とは
① 日本百名山最高峰のひとつ、屋久島の「大自然の象徴」
宮之浦岳は、鹿児島県・屋久島にそびえる標高1,936メートルの山で、日本百名山の中でも特に「南の最高峰」として知られています。海からそびえる独立峰で、標高以上にスケールの大きな自然を感じられるのが魅力です。屋久島の豊かな森、清流、苔むす風景がぎゅっと詰まった、まさに島のシンボル的存在です。
② 一日で「亜熱帯から高山帯」まで体感できるダイナミックな植生変化
宮之浦岳登山では、標高が上がるごとに植生が劇的に変わります。登山口では暖かい亜熱帯の照葉樹林、その後は苔むす屋久杉の森、さらに針葉樹林、そして山頂付近では風衝草原や高山植物の景色へ。まるで「1日で日本を縦断する」ような植物の変化を楽しめます。
③ 天候が変わりやすく「神秘的な世界」が広がる山旅
屋久島は「月に35日雨が降る」と言われるほど雨が多い島。そのため、ガスに包まれたり、森がしっとり輝いたり、突然の晴れ間で神々しい展望が広がったりと、天候の移り変わりがドラマティック。登山中に「天候という自然のショー」を楽しめるのも、宮之浦岳ならではの魅力です。
コース概要
- 【スタート】淀川登山口(標高1,360m)
- 【ゴール】荒川登山口(標高約800m)
- 【予定コースタイム】約10時間
(登り:宮之浦岳まで約3.5時間/下り:荒川登山口まで約6.5時間)
宮之浦岳のルートとポイント
- 宿から早朝タクシーで淀川登山口
- 淀川登山口 → 淀川小屋
登山開始すぐに、苔むす森と清流・淀川を渡り、淀川小屋に到着。トイレ・休憩ポイントあり。 - 淀川小屋 → 花之江河
比較的緩やかな登り。屋久島最高所の湿原「花之江河」では開放感ある景色が広がる。 - 花之江河 → 黒味岳分岐
森林帯を進み、黒味岳への分岐点に到着。黒味岳へは今回は立ち寄らず、宮之浦岳方面へ。 - 黒味岳分岐 → 投石平
周囲が開け、巨岩が点在する投石平へ。遠く屋久島の山々を見渡すことができる絶景スポット。 - 投石平 → 宮之浦岳山頂
急登を経て標高1,936mの宮之浦岳へ。九州最高峰、日本百名山のひとつに登頂成功! - 宮之浦岳山頂 → 新高塚小屋
山頂から一旦下り、新高塚小屋へ。途中、大株歩道入口方面との分岐があるので注意。 - 新高塚小屋 → 高塚小屋 → 縄文杉
有名な「縄文杉」へ向かうルート。世界遺産・屋久島の象徴ともいえる圧倒的な存在感。 - 縄文杉 → 荒川登山口
荒川登山口まで続くトロッコ道をひたすら下る。足に負担がかかるため慎重に。
荒川登山口到着後は、バスで移動。


1日目 さー出かけよう屋久島へ
屋久島・宮之浦岳登山ツアー【前日移動編】
2025年4月24日
新潟から新宿、羽田空港へ
仮眠をとったあと、娘に送ってもらい、夜行バス(泉観光バス)で出発。
【01:37】バス停を出発
まだ夜も明けないうちに東京へ向かいました。
【06:10】新宿・バスタ新宿に到着。
朝ごはん代わりに、梅干しと中華おこわのおにぎりをパクリ。登山前なので、しっかりエネルギーをチャージします。
【06:30】再びバスに乗り、羽田空港第1ターミナルへ向かいます。

【07:05】羽田空港到着。
飛行機で鹿児島、さらに屋久島へ

【08:05】羽田空港を出発(JAL)。
予定では【09:55】鹿児島空港着でしたが、少し遅れて【10:00】到着。
乗り継ぎ便もやや遅延しました。


【11:30】鹿児島空港発(JAL)→【12:15】屋久島空港到着!
ついに、憧れの屋久島へ上陸です。


屋久島到着後~昼食と島時間を満喫
お腹がぺこぺこだったので、空港近くのイタリア料理店「イルマーレ」で昼食を取る予定でしたが……まさかの定休日!
重たいスーツケースを引きずって歩いたのに、残念。
気を取り直して、近くの「しまなみキッチン」へ急遽変更。

テラス席に座ると、心地よい風に木々が揺れ、島らしいのんびりとした空気に包まれます。
ここでいただいたのは、
- 屋久鹿のボロネーゼ
- 安房港のとびうおピザ

どちらも美味しく、ボリューム満点! 満足度100点。
バスまで少し時間があったので、屋久島ならではのお菓子やポストカードをお土産に購入。
普段、時間に追われる生活から離れ、ゆったりと流れる島時間を全身で感じました。
温泉と翌日の準備
バスに揺られて、レンタカー屋さんへ。荷物を積み、身軽になって向かったのは尾之間温泉。

大正時代から続く歴史ある天然温泉で、地元の人々に親しまれている場所です。
少し熱めのお湯に浸かり、長時間移動の疲れをしっかり癒しました。


【16:00】宿泊先「鱗屋」にチェックイン。
【16:30】Aコープで翌日の山行に向けて飲み物などを買い出
夜は、部屋で地元の食材を楽しむ”部屋飲み”。
炙りサバの太巻き、かつおののっけ盛り、海藻サラダ、日向なます、ひじきと豆腐の和サラダ。
屋久島限定の焼酎「三岳」で乾杯しながら、明日の宮之浦岳縦走に向けて英気を養いました。

2日目 宮之浦岳縦走へ
屋久島・宮之浦岳登山ツアー【登山当日編】
2025年4月25日
早朝出発から淀川登山口へ
【04:00】起床。
朝ごはんは、屋久島の人気ベーカリー「ヒロベーカリー」で買った米パン、胡桃チョココロネ、ハムチーズ、ナッツはちみつ、そしてコーヒー。
インスタで見つけた米パンは、きめ細やかな生地にふわふわの食感。噛むたびに自然な甘さが広がり、幸せな気分に。

【05:00】タクシーで出発(料金:約7,820円)。
連休中で観光客は約500人というピークシーズン、登山口までの道も賑やかでした。
【05:15】途中、あさひ弁当に立ち寄り
昼食用のお弁当(500円×2個)を受け取り、準備万端。

【06:00】淀川登山口からいよいよ登山スタート!
まだ薄暗い森の中は、まるで「もののけ姫」の世界そのもの。登山者もほとんどおらず、神秘的な杉の巨木と苔むす森の中を静かに歩き始めます。



宮之浦岳登頂
清流を渡り、岩場を超え、視界が開けると、遠くに歩いてきた道が見渡せる絶景。
湿原エリアでは木道が続き、まるで尾瀬のような雰囲気を楽しみながら高度を上げていきます。



【09:30】宮之浦岳登頂!標高1,936m。
誰もいない山頂、日本百名山を独り占めする贅沢なひととき。


ここでおにぎり、唐揚げ、味玉を食べてエネルギー補給。やっぱり登山に米は最強。
この時点で縦走コースの三分の一。ここからは長い下りがスタートします。
下山〜縄文杉、荒川登山口へ
下りの途中、まだ雪が残るエリアもあり、春と冬が交錯する光景に出会いました。
さらに、屋久猿の親子にも遭遇!可愛い姿に疲れも吹き飛びます。


やがて現れたのは、世界遺産・縄文杉。
樹齢約3,000年、その圧倒的な存在感に言葉を失います。

この頃、ちょうど恵みの雨が降り始め、しっとり濡れた森に包まれた縄文杉はさらに神秘的に。





整備された山道を抜け、線路跡と木道をひたすら歩く後半戦。


運良く、2週間に1回しか走らないというトロッコにも遭遇できるという奇跡!


予定よりも早く、【15:00】荒川登山口に到着。
所要時間は9時間15分、歩行距離は約25km。
無事に屋久島縦走達成です!

登山を終えて
長い距離を歩き続けた疲労感はありましたが、それ以上に胸いっぱいの達成感。
屋久島の自然の力強さ、やさしさ、そして神秘に触れた、忘れられない一日になりました。
荒川登山口から宿へ
登山を終えて、荒川登山口からは大型の観光バスで移動。
バス代は片道1,000円。次々と下山してくる登山客で大型バスはすぐに満席になり、途中からは路線バスに乗り換えて宿へ向かいました。
宿に着くと、まずはシャワーで汗を流し、洗濯。
25kmの長い縦走の疲れを癒しながら、すっきりとリフレッシュ。
疲労回復の夜ごはんは部屋飲み
さすがに今日はロングコースで身体もヘトヘト。
居酒屋さんで外食する元気はなく、今夜も部屋飲みスタイルに決定。
この日のメニューは、
- お刺身盛り合わせ
- さつま揚げ盛り合わせ
- 棒棒鶏(バンバンジー)
- そして、島内限定の焼酎「三岳」

島のお酒で乾杯!
屋久島の味覚をゆったりと味わいながら、静かに縦走達成の余韻に浸りました。
屋久島の魅力
屋久島は、人がとにかく温かく、
空も海も驚くほどきれいで、
食べ物もとびきり美味しい。
自然の懐に包まれながら過ごした数日間で、**「いつか本当に移住してもいいかも」**とさえ思えるほど、心が解き放たれる旅になりました。
お楽しみさまでした!
登山を終えて 〜まとめとアドバイス〜
今回の屋久島・宮之浦岳は、今年初の百名山チャレンジでした。
25km、約10時間に及ぶロング縦走コースということで、不安もありましたが、冬の間にHIITトレーニングなどを重ねて体を鍛えてきた甲斐があり、無事に歩き切ることができました。
コース全体はよく整備されていて、全体的に歩きやすい印象です。
ただし、所々に岩場や急登もあり、設置されたロープを使って登る箇所もあるため、しっかりした登山装備と体力は必要です。
淀川登山口から宮之浦岳、そして縄文杉まではベテラン登山者が多く、比較的静かな登山を楽しめました。
一方で、縄文杉から荒川登山口までの区間は、ガイド付きのツアー登山者が多く、ガイドさんの的確な案内もあり、安心してハイキング気分で歩ける道のりでした。とてもありがたかったです。
屋久島は「雨の島」としても有名ですが、今回はほとんど雨に当たらず、唯一、縄文杉付近でほんの少し小雨が降った程度。かえってしっとりとした森の雰囲気を楽しむことができました。
山中のトイレ事情についても触れておきます。
主要な山小屋(淀川小屋・高塚小屋など)にはトイレが設置されています。また、携帯トイレ専用ブースも設けられているので、携帯トイレは必ず持参するようにしましょう。
下山後のアクセスについても注意が必要です。
荒川登山口から屋久杉自然館へ向かうバスは【16:00発】が接続便です。そこから【16:45】の宮之浦行きバスに乗る必要があるため、時間に十分余裕を持った登山計画が必須です。
また、屋久島の路線バスでは、一万円札・五千円札・新札の千円札の両替ができないことがあります。事前に小銭や旧札を用意しておくことをおすすめします。
タクシーもクレジットカードが使えない会社がありますので、出発前に確認しておくと安心です。
そして、早朝のタクシーや、登山中のお弁当(あさひ弁当)も前日までの予約が必要です。必ず事前に連絡して手配しておきましょう。
このブログが、これから屋久島を訪れる方、宮之浦岳を目指す方の参考になれば嬉しいです。
みなさんの山旅が、安全で思い出深いものになりますように!
アブーより
今回の装備
ザックOMM 25L、水3l、カッパ上下、ビニール袋、炎熱、塩タブ、芍薬、ツエルト、エマージェンシーグッツ、ライト、昼食、クマ鈴、モバイルバッテリー、サングラス、日焼け止め、ウエットティッシュ、地図、コンパス、非常食(お菓子など3食)、登山靴、スント、携帯、充電ケーブル、ココヘリ、登山計画書、コンタクト又はメガネ、三脚